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経政(つねまさ)

【分類】二番目物 (修羅物)

【作者】不詳

【主人公】シテ:平経政の霊

【あらすじ】(仕舞の部分は下線部です。)

京都の仁和寺、御室御所〔おむろごしょ〕の守覚〔しゅがく〕法親王は、琵琶の名手である平経政を少年の頃から寵愛されていました。ところが、このたびの一ノ谷での源平の合戦において、経政が討ち死にしたので、生前、彼にお預けになったこともあった「青山〔せいざん〕」という銘のある琵琶の名器を仏前に供え、管絃講〔かげんこう〕を催して回向するように行慶〔ぎょうけい〕僧都に仰せつけになります。行慶は、管絃を奏する人々を集めて法事を行います。すると、その夜更けになって、経政の亡霊が幻のように現れ、御弔いのありがたさに、ここまで参ったのであると僧都に声をかけます。そして、手向けられた琵琶を懐かしく弾き、夜遊の舞を舞って興じます。しかし、それもつかの間、やがて修羅道の苦しみに襲われ、憤怒の思いに戦う自分の姿を恥じ、灯火を吹き消して闇の中に消え失せます。

 

【詞章】(仕舞の部分の抜粋です。)

あら恥かしや嗔恚の有様。はや人々に見えけるか。あの灯火を消し給えとよ。灯火を背けては。灯火を背けては。ともに憐れむ深夜の月をも。手に取るや帝釈修羅の。戦いは火を散して。嗔恚の矢先は雨となって。身にかかれば払う剣は。他を悩し我と身を切る。紅波はかえって猛火となれば。身を焼く苦患恥かしや。人には見えじものを。あの灯火を消さんとて。その身は愚人.夏の虫の。火を消さんと飛び入りて。嵐とともに灯火を。嵐とともに。灯火を吹き消して。くらまぎれより。魄霊は失せにけり。魄霊の形は失せにけり。

 

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