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楊貴妃(ようきひ)

【分類】三番目物 (鬘物)

【作者】金春禅竹

【主人公】シテ:楊貴妃の霊

【あらすじ】  

安禄山の乱の時(756年)、馬嵬が原〔ばかいがはら〕で殺された楊貴妃のことを忘れかねた唐の玄宗皇帝は、神仙の術を会得した方士に命じて、彼女の魂魄のありかを尋ねさせます。方士は天上から黄泉まで探しますが見当たらず、最後に常世の国の蓬莱宮へとやって来ます。そして所の者に尋ねると、太真殿という御殿に玉妃という人がいるというので、その建物を見つけ、様子をうかがいます。すると中から、昔を偲ぶ詠嘆の声がもれて来ます。そこで方士が、唐の天子の使者だと名乗ると、貴妃は驚いて帳を押し除け、簾をかかげて、姿を見せます。方士が使いの趣を述べると、貴妃は皇帝との昔を懐しみ、憂いに沈みます。方士は、貴妃の見つかった事を急ぎ帰って報告するので、会った証に形見の品を請います。貴妃は髪にさしていた玉の叙を渡しますが、方士は、このような珍しからぬ品よりも、帝とひそかに契られたお言葉があれば、それを聞かせてほしいといいます。貴妃は、七夕の夜、天にあらば比翼の鳥、地にあらば連理の枝と、その愛の永遠を誓ったことを打ち明けます。そして、その誓いも空しく、私ばかりが遠くへ来てしまったが、できれば未来でお目にかかりたいと伝えてほしいといいます。さらに自分はもとは上界の仙女であった身の上について語り、舞を舞って見せ、形見の品を持って帰る法士を一人寂しく見送ります。

 

 

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