10 加藤 正嗣(かとう まさし)

 ★プロフィール

1949年3月、名古屋市生まれ。

1975年3月入会。

会員番号 NO.1。

(名古屋春栄会創設時からのメンバーです。)

 

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トレーニングは日常動作から

 <酔っ払いは、なぜ千鳥足か?>

酔っ払うと、かかとや足裏の外側(小指側)に重心がかかってきます。酔っ払ってなくても、疲れてくると、あるいは年を取ってくると、どうしてもかかとに重心をかけがちとなります、多分、無意識のうちに筋肉を使わないで体を支えようとするからでしょう。スキーやスケートで、かかとに重心をかければ…尻餅ですよね。

 かかとに重心をかけない、内側のエッジをきかせる(土踏まずや親指の付け根に重心をかける)。この二つを意識すると、太腿や膝の内側そしてお尻の筋肉(ふだん使っていないからたるんでいる所)に緊張感が生まれます。当然、後姿も若々しくなります。

 <作用・反作用の拮抗が、安定感>

 軽くあごを引き、うつむいた顔を正面に戻すと首に緊張感が生まれます。そして肩を押し下げると、反動で胸が持ち上がり背筋が伸びます。ひじを張ろうとしても肩もあがってしまう(すくんでしまう)という失敗も、肩を下げることを意識すれば大丈夫。バレリーナの首が長く見えるのは、多分この原理です。

 首筋をうーんと天に向かって伸ばす、足の内側にエッジをきかせる(踏ん張る)。この二つの力を拮抗させる(上下に伸びる引張り力をきかせる)と、腰の位置は定まります。腰を出すつもりで腹が出た、胸を張るつもりで尻が出た(ちんころ姉ちゃんスタイル)という失敗も回避できます。

<屈筋は加速のアクセル、伸筋は維持のアクセル>

 数年前の謡曲を読む会での「屈筋と伸筋」の話(小池信之さん)は、目からうろこでした。

 上腕を内向きに回転させると、ひじが張れます(この時、肩を下げます)。手首を外向きに回転させると、二つの回転が拮抗してひじが固定されます。この時、上腕の外側の筋肉(伸筋)に緊張を感じるはずです。そして、扇の要を小指で軽く押さえる(左手も同様にする)と、伸筋の緊張をさらにはっきり意識するはずです。

 <サステナブルは、世界のキイワード>

 「力強く」と意識すると、体中がこちこちでかえって縮こまって小さく見える、肩がすくんで貧相にみえるという経験、ありませんか? 縮こまり姿勢はサステナブル(持続可能)ではありません。仕舞の数分間ならともかく、能の1〜2時間をその状態で通すことは不可能なはずです。

多分、「伸ばす」がキイワード。瞬発力の屈筋ではなく、サステナブルな伸筋を使って各部位を伸ばす、伸ばす力を作用・反作用の法則で拮抗させ、力まずに安定感=力強さを表現する…。筋力トレーニングにはウェイトリフティングではなくストレッチングが有効かもしれません。

 

★穂高先生からの一言

 私が名古屋へ来るきっかけを作ってくださった方は、廣瀬瑞弘氏ですが、その後、現在の名古屋春栄会ができるまでいろいろとご苦労くださったのが、加藤正嗣氏です。この方にはなにがしか人を引き付ける魅力というか、魔力(口車との説も)のようなものがあるようで、短期間で名古屋春栄会の基礎を築き上げてくださいました。
 ここだけの話、名古屋市随一の懐刀が、当会の中枢部にいるのです。

 

★次回の会員

次回は、廣瀬雅弘さんです。

 

【筆者のひとり言】

 口車なら、私より上手がたくさんいますよ(横車もいるけど…)。皆さん、フレッシュな会員を誘ってください。

 

 

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